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慶應義塾柔道部が、明治10年に創立されてから今日で125年になる。大変おめでたいと思います。私は、ちょうど塾長になる前に、柔道部長、体育会理事というような仕事をしておりましたので、特に今日は嬉しいような気がいたします。つくづく考えてみるのでありますが、慶應義塾柔道部の歴史は大きく分けて、戦前と戦後に分けることができるだろうと思います。戦前は多くの名選手を輩出した、非常に強い慶應義塾というものが表に出ておりました。戦後も皆、柔道の技を身に付けるということで、一所懸命でありましたけれども、結果的に入学試験がすこぶる厳しくなったということ、それからなんと申しますか、柔道を行う人口が減ったということ、そういうことのために、入学してきた学生の中で柔道を選んでする学生が少なくなった。非常に困難な時期を、慶應は迎えたことになります。しかし、それでも一所懸命あらゆる手段を使って、柔道部の強化に努めてまいりました。それは、多くの戦績をみれば明らかであります。 しかし、この125年を期して、もう一度、強い慶應義塾をつくる必要があると、私は、個人で密かに考えております。慶應義塾が強くなるということは、日本の柔道にとっても非常に大切なことでありますが、慶應義塾にとっても、私は大切なことであるというふうに思っております。それだけに、この125年を期して、先輩諸氏と話し合って、どうしたら一体この慶應義塾柔道部が本当に強い立派な部として存続することができるか、ということをもう一度考えてみたいなあというような気持ちがしております。おそらく先輩諸氏の気持ちの中にも、私と同じような願いがあると思いますけれども、どうかお力を貸していただきたい。 大学の各部が成り立つためには、先輩の協力というのは絶対に必要であります。先輩の協力を得ることによって、大学の運動部は発展することができるのであります。私はここに集まった先輩諸氏に対して、慶應義塾柔道部の第3期、今まで戦前を第1期とすれば、戦後は第2期、これからの期は発展の第3期になるわけですが、その3期の礎を築きたい。これを柔道部長に、ぜひ要請をいたしたい。心の中で考えております。私が何ほどのお力を貸すことができるか分かりませんけれども、しかし念願は念願として、どうぞお受け取りいただきたいと思います。今日お出でいただいた先輩の協力をお願いして、私の話を終わりたい、こう思います。ありがとうございました。 記念式典のページへ戻る >>
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