IMG_1625

失礼いたします。2024年度副主将の松永蓮太郎です。現在、十数年に渡る柔道漬けの生活を終えて新しい生活を送っています。寝ている最中に投げられる夢を見て体がビクッとなることも少なくなって少し寂しい気もしますが、心には常に柔道魂が宿っています。
これまでの人生、柔道を通じて多くのことを学びました。その中でも塾柔道部での生活は、今後の人生で大いに役立つまさに実学の実践に他ならなかったと感じています。

まずは人との関わり方。自分は他人との関わりは「尊敬」と「野心」の調和でできていると結論づけました。互いにリスペクトしてこそ相互の成長が望めるということは自明であると思っていましたが、その本質については塾柔道部を通じて初めて理解できたと感じます。一方で「追いつき追い越せ」の精神、言うなれば「野心」たるものまで深い人間関係には必要になってくるのだと考えました。ある人間関係について、いずれか一方のリスペクトが先行し続けると、相手方はそのプレッシャーを負うのみで、相互成長という人間関係の意義を没却してしまうのではないかと思います。その点では塾柔道部で得ることのできた仲間たちは尊敬できる部分があり、また逆に自分を尊敬し追い越す勢いで人間関係を築くことのできる胆力に満ちていました。
柔道という競技を通じて、特に最後の一年、自分が絶対的エースとしてチームを牽引する一方、後輩たちもそれに応えてくれた経験はまさに理想の人間関係のあり方を体現していたかと思います。

次に柔道を通じて学んだ実学は、「自分らしく生きる」ことです。こと辛い柔道においては成長を実感できずに多くの挫折を経験することが往々にしてあります。そんな悪戦苦闘の日々で「自分らしさ」が洗練される部分に柔道の素晴らしさが存していたのだと考えます。たとえば短い試合時間の中でも思う様に自分の得意なパターンに持ち込めないことがあります。その中で自分は「絶対に負けないことを意識しつつ、コンスタントにチャンスを伺う」という強みを活かそうと常に考えていました。これまで多くの勝利を積み重ねてきましたが、やはり最後の早慶戦、あの大舞台にて自分の強みが結果に直結した感動はこの先の人生で忘れられそうにありません。絶対に諦めずに、人事を尽くして天命を待つ。五体に染み付いた勝利至上主義の自分は、この先柔道で培った「自分らしさ」を活かして驚きの結果を出すことを誓います。

他にもたくさん柔道を通じて学んだ実学は多くあるのですが、それは同期との酒の肴にしようと思います。パズルのようなこれからと今と昨日があって、春からも三田校舎の番人として頑張ります。柔道部は卒業したけど、自分の人生にはいつも柔道魂が生きている。体は柔道でできている。