小学生の頃、朝飛道場に練習に来てくださった先輩方は格好良く、強く印象に残っていました。まさか自分が慶應の柔道部に入部して、こうして卒業していくことが夢なのではないかと思ってしまいます。

大学1年生、中高時代と全く違った練習環境で戸惑っていた私に先輩方がいつも優しく声をかけてくださり、たくさん稽古をつけてくださったおかげで慶應での日々の練習はものすごく楽しかったです。だからこそ結果でお返しできるように頑張っていたつもりでしたが、全く勝つことができず、悔しかったです。これまで目を背けてきたことひとつひとつに向き合い、自分には何が足りないのか、これまで以上に考えて練習するようになりました。そして3年生になり、やっと少しずつ結果を出すことができるようになりました。団体戦で全国大会3位、早慶戦初優勝、みんなで力を合わせて戦うことの楽しさを学びました。

女子の先輩方が引退した後、私は、たった1人の女子プレイヤーとして、女子主将として、残された1年をどう過ごすべきなのかを考えました。真っ先に頭に浮かんだのは『先輩方が強くしてくれた女子部を私が終わらせてはいけない』ということでした。そのために、団体戦では必ずポイントをとる選手になる、個人戦では誰よりも結果を残して1番目立つ。この2つを心に刻み毎日練習に取り組むようになりました。私にそんなことできるのだろうか、はじめは不安でいっぱいで、改めて先輩方の偉大さを実感しました。それでも後輩たちが一緒に真剣に練習に取り組んでくれたおかげで、いつの日か不安は楽しさに変わり、自信を持って戦うことができるようになりました。

特に講道館杯での一勝は、たった一勝かもしれませんが、私にとって宝物の勝利となりました。慶應の柔道着を着て全国大会で勝つことができて本当に嬉しかったです。私1人の力では到底成し遂げることはできず、柔道部の皆様が支えてくださったからこそのものだと思っております。

この4年間、信じてともに戦える素敵な仲間に出会い、心から柔道を楽しむことができました。慶應の柔道部で柔道をすることができて本当によかったです。最後になりますが、柔道部の皆様、温かく迎えてくださり、常日頃からの多大なるご支援、ご声援、大変力になりました。誠にありがとうございました。今後は慶應義塾體育會柔道部の一員として、与えていただいたもの以上のものを返せるよう精進して参ります。今後ともよろしくお願いいたします。

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