「ご挨拶」 慶應義塾體育会柔道部長 フィリップ・オステン
柔道部とともに過ごした 1 年間を振り返ってみれば、昨年度に続き、コロナ情勢の影響を受けながら (あるいは、それに振り回されながら)、学生は満足に稽古や試合もできず、今年度も部全体に大きな試 練が与えられたような 1 年でしたが、部員諸君はそれでも落胆せず、常にそのときどきの状況に応じた 最善の対応策を模索し、数々の課題を淡々と克服していく姿がとりわけ心に残りました。 このように、パンデミック禍での部の安全な運営と新たな成長を可能にしたのは、部員一人ひとりの 高い意識と日々の弛まざる厳しい鍛錬であり、そして、チーム中内・山室両主将以下の幹部学生の強い リーダーシップおよび栗田(女性では初の)主務以下のマネージャー陣の高い危機管理能力だ、と私は 確信しております。 このチーム全体の根気強い努力は、早慶戦男子3連覇、女子初優勝という、柔道部の歴史に残るよう な輝かしい戦績に見事に結実しました。これもひとえに、学生を常に献身的に支えてくださった OB・ OG の先輩方ならびに師範・監督・コーチの先生方のご指導・ご鞭撻の賜物です。皆様の厚いご支援に 心から感謝申し上げます。 この度卒業を迎える部員諸君、卒業おめでとうございます。4 年間の厳しい稽古、本当にご苦労さま でした。部活動と学業との両立を通じて、また、母校・慶應義塾の栄誉を担っての試合を通じて、慶應 柔道の精神を共有し、その上で生涯の仲間を得ることができたのではないかと信じています。卒業後は、 ぜひ「柔友」になって後世の指導・支援をお願いしたいと思います。今後の益々の活躍を祈念しつつ、 再び道場でお会いできる日を楽しみにしています。