2020年3月31日、体育会および大学側から全ての体育会活動の中止が言い渡され、先の見えない無期限の部活動自粛機関に入った。当初は、大したことにはならず、すぐに部活動に戻ることは可能だろうと高を括っていたが、その望みは4月7日に発令された1回目の緊急事態宣言によってあっさりと打ち砕かれた。柔道どころかキャンパスで行われる講義も全てなくなり、試合に関しては延期の知らせが続々と舞い込んできた。

再開の見込みも何もないまま6月になった。長い長い2ヶ月が過ぎ、宣言は全て解除されたものの、相変わらず世間は自粛ムードで、とても柔道ができる雰囲気ではなかった。そして6月16日、学生優勝大会の中止の判断が下され、体重別選手権及び体重別団体は延期もしくは中止となった。この時点で全学生が残りの試合も中止になるであろうことを何となく察していたが、それでも僅かな希望に縋って続報を待ち続けた。

そのような中で8月、幾度となく大学・体育会側とやり取りを重ね、遂に練習を再開する目処が立ったのだ。専用のガイドラインを設け、各種検査を行い、最新の注意を払いながらなんとか日吉の柔道場に学生が戻ってきたのである。しかし、喜びもつかの間、8月の中旬の理事会で残りの試合のすべてが中止となった。この時点で最後の練習からすでに4ヶ月の空白期間を経ているのである。4ヶ月柔道をせず、さらに目標としていた試合も全て消え、学生のモチベーションはほぼなかった。早慶戦もそのまま中止で良いという意見まで上がるようになった。この状況、見る人が見たら非常に情けなく感じるだろうが、無理もないのだ。昨年早慶戦に勝利し、2020年は成績に非常に期待のできる年だった。にもかかわらず、稽古も試合もできず、今年は何を目標に柔道をしたらいいのかわからない状況にあったのだ。

それでもなお、早稲田と協議を重ねて、9月末に早慶戦開催が決定した。歓喜よりも不満の声のほうが多く上がる中での開催の決定だった。ルールは例年から一新し、写真撮影や開会式のエール交換など、人が密集する機会を全て排除した新しい早慶戦であった。

 

しかし、開催が決定し、それに向けて周囲が練習をしだせば周りもなんやかんやと試合モードに入ってくる。学生のモチベーションは練習やミーティングを重ねるうちに次第に高まりを見せ、11月には通り、いやそれ以上の熱が日吉の道場にはあった。

 

そうして迎えた11月14日。観客はおらず、これほどまでに閑散とした講道館7階大道場は初めてであった。両校・各選手これまでの溜まった鬱憤を晴らすかのような試合を見せ、紆余曲折あった早慶戦も無事幕を閉じた。

現在、ひとつ下の代は新型コロナウイルスに振り回されながらも、様々な新しいことに挑戦している。新時代の柔道部がより強く・高く跳べるような礎を築き、そして新型コロナウイルスなんぞに負けない強いチームに必ずやなるだろう。