2006_3_服部オーストラリア遠征柔道部1年の服部知孝です。2月21日から3月1日までの9日間、全日本学生柔道連盟の海外研修(オーストラリア) に参加してきましたので、報告させていただきます。

今回の海外研修において、シドニーオープン柔道大会に出場する機会を得、73kg級で銀メダルを獲得することができました。同大会は、日本でいう講道館杯にあたる大会とのことです(今回の海外研修の監督である柏崎克彦先生談)。

決勝まで四試合を戦い、一回戦、二回戦、準決勝の対戦相手はオーストラリア人、決勝は日本人でした。 オーストラリア人は、非常に力が強く、やりにくかったのですが、
一回戦は、相手が大内を掛けてきたところを大内返しで一本勝ち。
二回戦は、組際の袖釣り込み腰で技有りをとり、さらに相手が強引に力でぐいぐい前に出てくるところを一本背負い投げであわせて技有りをとり、合わせ技で一本勝ち。
準決勝は、開始10秒、組際に思いっきり背負い投げにいったら決まって一本勝ちと、すべて一本勝ちで決勝まで勝ち上がることができました。
決勝は、仙台大学の全日本ジュニア3位の選手に背負い投げでかつがれて、一本負けを喫してしまいました。

この大会では、オーストラリア人は力が物凄く強いが、技が雑だと感じました。現在のオーストラリアの柔道はそれほどレベルが高いとは言えませんが、体格のいい選手が多く、本当に楽しそうに柔道をしていたので、これから国際交流が進み、日本の技術がもっと伝われば、強い選手が出現してくるのではないかと感じました。ちなみに、オーストラリアのオリンピック選手もこの大会に出場していたため、どのくらい練習をしているかと尋ねたら、週5日の1日2時間くらいとのことです。慶應のほうが、練習時間が長いので、自分たちもオーストラリアでは代表を目指せるのではないかと思ったほどでした。

オーストラリアの柔道選手と、一緒に稽古をしたり、食事をしたり、観光したりと多くの交流をしましたが、どの人も非常にフレンドリーだったことが印象的です。肌の色も、目の色も、歴史も文化も、価値観も全く違う人間同士が、柔道をやっているという共通点だけで、こんなにも仲良くなれるものかと、嬉しく思 いました。また、街を歩いていて、外国人に道を聞かれたことに驚きを感じました。オーストラリアでは、様々な人種がいて当たり前で、日本人である自分に道を尋ねるのに何のためらいもなかったのでしょう。もし、自分が日本で道に迷っても、民族意識が働き、外国人には道を聞かないと思います。オーストラリアが、移民の国だと感じた出来事でした。

今回の海外研修で、国際試合を経験し、柔道を通した国際交流を体験したことにより、
柔道に対する視野が広がった気がします。私は、柔道には、勝負を超えてきらめく何かがあると確信しています。そのきらめきのひとつに出会えた9日間でした。
今回、本当に多くの方にお世話になりました。この研修に参加させてもらったことに感謝をし、5月にある東京学生柔道優勝大会で活躍して、慶應義塾柔道部に貢献し、恩返しがしたいと思います。