2006年8月3日から6日にかけてベトナムのホーチミンに於いて第15回ベトナム国際柔道大会が開催されました。私は今回幸いにも66kg以下級で日本代表として出場させていただき優勝することができました。ベトナム国際は以前から一度は出場してみたいと思っていた大会で、出場することが決まったときは大きな喜びと共に日本代表として出場するという強い責任感を感じたことを今でも覚えています。
試合前の調整と多少の減量もうまくいき、本番を迎えることができました。8月3日の朝早くに他の代表選手と共に成田空港を出発し台北を経由してベトナムのホーチミンに降り立ちました。ベトナムの気温は日本とほとんど変わらず、例年この時期はかなりジメジメしているみたいですが、当日は涼しかったです。空港から宿泊するホテルまでバスで移動したのですが、まず街を走るバイクの数に驚かされました。その数は圧倒的で、対向車線も平気で走りクラクションが常に飛び交う道路状況に、日本から遠く離れた異国の地に来たことを痛感させられました。また、ベトナムでは毎日と言っていいほどスコールが降ると聞いていましたが、私が滞在した間でも何度かスコールが降り、日本とは違うベトナムの気候に触れることができたことも興味深い経験でした。
初めての国際大会であったのでかなり緊張するのではないかと不安に思っていましたが、いざ試合になると不思議なことに全く緊張せず、リラックスし試合に集中して臨めました。相手は初戦からベトナム人、スリランカ人、ベトナム人、決勝はタイ人でした。試合は全て一本勝ちで、優勝という最高の結果を残すことができました。優勝という結果にはもちろん満足ですが、それ以上に自分にとって大きな財産となったのが外国の人達と試合をしたことだと思います。私は小学1年生のときから今に至るまで約15年間柔道をしてきましたが、外国人と試合をするのは今回が初めてでした。言葉も文化も違う遠い異国の人と柔道を競い合い、そして試合後は互いの健闘を祝う。柔道をしていなければおそらくは一生出会うことのなかった人達と、言葉は分からなくとも柔道を介して互いの心が通じ合ったのです。改めて柔道の素晴らしさを実感することができました。
試合の後は、ホテル近くの大きなレストランを借り切り、参加した全ての国の代表団が集まりパーティが盛大に行われました。そこではいろいろな国の人達といっしょにお酒を飲み写真を撮り貨幣を交換したりしましたが、外国の人達の陽気さに元気をもらいました。外国の人達とこのように仲良く楽しい時間を過ごせたのも柔道という共通因子があったからこそだと今しみじみ思います。最後になりますが、このような素晴らしい経験をさせていただいた和田力先輩を初め、引率の先生方や代表チームのみんなに感謝したいです。ありがとうございました。