柔道新聞 2006.7.10

慶應健闘、初戦敗退
初日は…この日の為に猛練習を重ねたチームの半分が早々と消える。それでも、素晴らしい汗を流す選手の表情に、柔道で青春を燃焼させた満足感が充満していた。26年ぶりに全国大会出場を果たした慶應もその一つ。旺盛な闘争心で大阪商大に全員が全力でぶつかった。先鋒服部知孝は闘志が空回りして一本負けを喫したが、次鋒から三将までの4人はひたむきに攻め、我慢を重ねて引き分けを続ける。次鋒久保田誠、五将前田賢慶は相手に指導が先行するなど、あと一歩でポイントを奪える展開。そして遂に副将西森福人が待望の一本勝ちでスコアが並び、試合場を囲んだOBからも歓声が起きた。しかし大将戦は水谷孝之が大商・井上大輔の切れ味鋭い払腰に沈み、爽やかに畳を去った。

スーザン・コモリさん(古森義久夫人)
ワシントンで拉致問題をサポート

北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母親、早紀江さんらが4月下旬に米国議会の公聴会に出席するために訪米した時、本誌でもお馴染みの慶應柔道部出身のワシントン在住ジャーナリスト、古森義久氏夫人で弁護士のスーザン・コモリさんが、通訳兼エスコート役として一行と行動を共にして全面的に支えたことが、雑誌「サピオ」への特別寄稿で明らかになった。スーザンさんは5年前に家族会が初めてワシントンを訪問した時、側面援助した夫・義久氏の影響を受けて拉致問題に深い関心を持った。弁護士として連邦政府でも働いていたスーザンさんは、拉致被害者の解放と帰国のために自分が出来ることを支援したいと強い情熱を感じて、3年前に家族会がワシントンを訪れた時も早紀江さんらにずっと付き添ったという。今回の訪問では、柔道愛好家で知られる加藤良三駐米大使と、トーマス・シーファー駐日大使が努力してブッシュ大統領との面談が実現し、「大統領に就任して以来、最も胸に迫る会合だった」と語る感動的な場面が世界中に伝えられた。横田早紀江さん帰国後、「スーザンさんには何から何までお世話になった」と深い感謝の意を表した。
 拉致問題はまだまだ解決の糸口を掴めないが、「アメリカ国民として拉致問題に少しでも支援できたことを誇りに思う。私がもっとも愛する2つの国、アメリカと日本が力を合わせ、それぞれがすべての手段を尽くして拉致問題を解決し、被害者が家族のもとにもどせることを心から願う」というスーザンさんの言葉を、我々日本人は強く受け止めねばならない。
 長身の白人美人・スーザンさんには、アメリカを訪問する多くの日本人柔道家も大変恩恵を受けている。山下泰裕IJF理事がワシントンを訪問した時も古森宅に宿泊し、スーザンさんが案内役と通訳を務めた。