051122_1306~03 代も替わり、新たな体勢となった塾柔道部は、「団体及び個人での全日本学生出場」「早慶戦勝利」と言う、二つの目標を打ち立て、走り始めました。

 ここ数年間我が部は、度々この二つの目標を掲げるもあと一歩と言うところで叶わず、苦杯を舐めさせられて参りました。そのため現在の塾柔道部は、「古豪」と評され、全国の優勝争いの場からは遠く離れた地位に甘んじております。そう言った現状を踏まえ、それでもなお、今再びこの二つの目標を掲げるには、相当量の覚悟と責任を持たねばならないでしょう。口先だけの実現する気もない目標を立てるなど、伝統ある我が部の看板に泥を塗ることに他ならないからです。

 確かに、現在の塾柔道部は、残念ながら部員数が多い訳ではありません。高校時代にすばらしい実績を残したものばかりでもありません。だからと言って、そう言った状況を悲観し諦めるのではなく、より高い方へと進まんとするためには、「私が柔道部を引っ張っていくんだ」と言う意識を部員一人一人が持たねばならないと思います。もちろん試合には全員が出られる訳では無いのですが、柔道という競技は一人だけで強くなることが出来ないのだから、幾人かだけがそう言った意識を持っていたとしても、大きな目標を叶えることは出来ません。大切なことは、塾柔道部に籍を置くもの全てが、一つの意識を共有し、底上げがなされ、部全体が強化されると言うことです。それが望めなければ、目標など到底叶わぬ夢となってしまいます。そしてそう言った意識改革を行うことが、伝統ある塾柔道部の主将として私に課せられた、使命であると考えており、私は、この一年間、OB・OGの皆様から引き継いだ塾柔道部をこう言った形で引っ張っていきたいと思っております。
 
 まだまだ至らぬ点も多く未熟ではございますが、どうか今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

慶應義塾體育會柔道部
主将 水谷孝之